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当院の近くに整形外科クリニックが新規開業・・・

 

 私が開業してから、同じ市内に、毎年2~3件ペースで整形外科が開業しています。尋常ではない速さと思います。歯科クリニックや整骨院・接骨院の乱立は、10~20年前からありますが、とうとう医科クリニックの生存競争も激しくなってきましたね。

 こうなってくると、そのクリニックの「売り」「武器」を明確にしなければなりません。

 同じ市内の整形外科クリニックの診療時間を見ていると、医師会に入っているところは、たいてい9時~12時、16時~19時です。実際は、患者が多ければ、13時まで診療続けているところもあるでしょうし、夜も20時まで残業をしているクリニックもあるでしょう。

 すでに飽和状態となっている歯科や整骨院・接骨院は、夜遅くまでやっているところもありますし、土曜日午後や日曜日もオープンしているところもあります。まさに企業努力ですね。私は、いずれ医科クリニックも飽和すると思っていましたから、当院開業時より診療曜日や時間を考慮しています。

 今年、当院の目と鼻の先に、整形外科が開業する予定です。ある程度の患者は、そのクリニックに流れていく事は、仕方が無いこととは言え、借金が多く残っている現在、規模拡大や立地の良いところに移転というのは、現実的ではありません。かといって、自由診療に力を入れるとか、さらに診療時間を拡大するとか、考えていません。なんせ、令和6年現在、売り手市場ですから、下手なことをしたらスタッフ辞めてしまいますし、私自身も、これ以上の診療時間拡大は、疲労が蓄積します。

 その新しくできる整形外科クリニック(以下、Aクリニックとします)は、おそらく私のクリニックをかなり意識しています。すでにHPはできているのですが、書いてある診療時間を見れば、一目瞭然ですねぇ。ただ、私はうれしく思います。患者様にとっても、診療時間が長いと受診しやすくなりますから。でも、さすがに、そのクリニックは、日曜診療はしないようですねぇ。

 Aクリニックは、スーパーの上にある医療モールで開業しますが、新しい医療モールなので、立地からとしても賃料は相当高いのではないかと思います。固定費って、内装工事中も発生しますし、開業後、赤字の期間でも容赦なく、支払いがありますから・・・。まぁ、スーパーだけに、その分、駐車場はたくさんあるから羨ましいですね。

 当院から近いところでの開業、しばらくの間は、気になりますが、かと言って、現時点で、なすすべがありませんので、私は、淡々と日々の診療を続けるだけですね。当院の今年の下半期の売上が下がれば、影響あったということでしょうかね。
2024年03月16日

開業しての雑感や、後悔について・・・

 このHPを見ていただいている勤務医の先生から、先日、ご質問がありました。こんな愚痴だらけのHPにもかかわらず、ご覧いただいていることに感謝いたします。

 さっそく、そのご質問は、「開業しての雑感」「開業して後悔していないか?」という内容です。

 まず、開業しての雑感ですが、開業して約7年経過した現在では、開業当初の不安な気持ちや、赤字経営のこと、スタッフトラブル等は、遠い昔話となりました(笑)。結論を申し上げますと、「後悔はありません!」むしろ、気楽と言いますか、自分のペースで仕事ができるということが開業の最大の強みでしょうか。

 当時の細かい内容や愚痴は、このHPに記載していますが、私の記憶に残らずとも、記録していることで、今後、開業をお考えになっている勤務医の先生方のお役に立てることができれば大変うれしく思います。

 今となっては、昔話ですが、開業直後~半年後は、「なぜ、開業してしまったのだろう?」と毎日のように悩んでおりました。医療行為自体の悩みは、何らありません。レセプトも、ある程度勤務医時代に知っていれば、それほど悩みません。しかし、スタッフの雇用や給与問題、赤字の問題、給与計算、各種事務手続き等、いろいろ院長がやるべきことが多く、さらには、それぞれが1つ1つではなく、たいてい連動して起きるのです。

 例えば、スタッフ1名が辞めることになった場合、自己都合退職であれば、退職届を提出してもらいます。退職届が無いと、後々、その辞めたスタッフから「不当解雇された」と訴えられる可能性があります。その後、ハローワークへ出向き、退職の被保険者資格喪失届や離職証明書等を提出します(今はオンラインで可能かな)。必要あれば、ハローワークで次の募集もする必要があります。

 その後、健康保険の資格喪失の手続きもあります。源泉徴収票の作成もありますね。また、早く、新しいスタッフが必要なのに、誰も応募してこない場合は、残っているスタッフに仕事のしわ寄せが来ます。場合によっては、次々と退職していく可能性があります。

 大きい病院ならばともかく、小さいクリニックでは、人手不足は大変深刻な問題なのです。

 もちろん、上述の事務作業に関しては、事務長を雇い一任する先生もいらっしゃると思いますが、事務長を雇用する費用もかかりますし、しっかり院長の右腕として働いてくれるかも分かりません。身近にいる先輩開業Drの話では、事務長が経費と称して、クリニックのお金を横領していたので、裁判になったとのこと・・・。

 事務長と言っても、一人の人間ですから、気のゆるみや慢心もあって、とんでもないことを仕出かす人物もいるということは忘れてはいけないでしょうねぇ。

 開業した立地によっては、開業直後から、黒字のところもあるでしょう。しかし、街中で開業ならば、競合も多いでしょうから、半年~1年は赤字を覚悟する必要がありますね。赤字の期間は、患者やスタッフに、院長自身が負のオーラを放っているのです。そういう時って、人って簡単に離れていきます。ドーンと構えて、やるしかないと思います。

 黒字化すれば、気持ちに余裕ができます。スタッフを新規で雇う際も、無料のハローワークやHP掲載も良いのですが、時間がかかるので、費用はもちろんかかりますが、転職業者に依頼して、サクッと採用します。

 私は、当初から、ほぼ全部のことを自分でやってきたので、各事務作業がどの程度のモノで、どれを人に任せた方が、タイパ・コスパが良いか、分かります!

 例えば、税理士は、必須ですね。これは、タイパ・コスパのみならず、税務調査の時も味方にプロがいることで安心感も得られるし、対策も取ることができますから。税理士選びは、他の開業しているドクターから聞くのが一番でしょう。医業を多く扱っているところじゃないと、ロクなアドバイスももらえないですからねぇ。

 社労士は、余裕があれば、契約しても良いかもしれません。給与計算してくれるようです。これは持論ですが、給与計算でも、人間ですから、計算ミスすることもあると思います。月にいくらか払って、ミスされるくらいならば、自分で給与計算ソフトを導入して、それで半自動で、給与計算する方が、ストレスが少なくて済みます。私は、面倒なので、やっていませんが、雇用助成金等の申請も社労士に依頼することができます。

 弁護士も、余裕があれば、契約しても良いでしょうが、きっちり医療を提供していれば、患者とのトラブルは、無いですから。もし、必要な場合は、都度依頼すればいいと思います。


 最後に、開業のデメリットは、「院長が体調不良の時に、どうするか?」ですね。常勤スタッフは喜びます。パートタイマーの方は、困ります。経営者としては、休診にすればするほど黒字が減るのですねぇ。よって、病気やケガには注意です。もちろん、知人ドクターに代診依頼するのも良いかもしれませんが、私自身は、人に依頼するよりも、思い切って休診にしたい人間です。同じ整形外科専門医だとしても、治療方針が微妙に違うこともありますので・・・。

2024年03月13日

スタッフの副業を認めるか否か・・・

 スタッフと言っても、常勤もいれば、パートもいますよね。

 パートは、多くは、扶養範囲内で働く女性が多いと思います。もちろん、例えば、理学療法士でパート希望の場合もあるでしょう。

 当院としては、パートの方については、副業の有無は確認しておりませ常勤の場合も、確認はしていないものの、メインが当院での仕事の場合は、本業の業務に差し支えないように副業はOKとしています。

 仮に、副業が多忙で、本業に遅刻するとか、業務中にウトウトするようなことがあれば、問題ありとして、就業規則通りに、戒告(口頭注意)、譴責(書面注意)、減給等の処分を下すことになります。

 先生方、ご自身はどうでしたか?

 私は、医局人事から離脱した後は、常勤に加えて、休みの日は、別の医療機関で、日中パートや当直業務をしておりました。パートは、あまり忙しくないところを選んでいましたので、特に常勤病院での業務に差し支えが出るようなことは無かったですね。

 たくさん稼いで、税金を納めて、もちろん可処分所得は増えますので、好きな物を買い、それによって、仕事のモチベーションも上がるわけですし、日本の経済も回るわけで、私は、良いことだと思いますけどねぇ。

2023年12月03日

何月に開業するのが良いか?

 何月に開業するのが良いか?

 自己資金・運転資金が十分ある場合は、好きな季節に開業しても良いと思います。まぁ、真夏と真冬は、外出する人は少ないですし、患者目線で言うと、気候的には、春とか秋がいいかもしれませんね。

 医療機関目線ならば、GW明け・お盆明け・正月明けは、院内が混雑しますので、その時期は外した方がいいと思います。

 開業直後は、ドクターもスタッフも何かと戸惑うものですし、トラブルが起きた時に(医療そのもののトラブルではなく、システム障害やレセプト処理の迷い等)、患者様をお待たせすることになりますよね。それって、二度と足を運んでもらえない可能性があります。

 また、開業当初は、再診はほとんどいなくて、初診が中心ですから、問診も診察も、それなりに時間がかかります。まぁ、開業当初から、大混雑のクリニックは、今時、都会では皆無でしょうから、都会で開業されるドクターはそこまで気にする必要は無いかもしれませんね。

 さらに、開業時には、ドクターショッピングの方も来院されますし、新規開業するドクターを狙ってか、「物言う患者」も来院します。「最初が肝心!」と気合を入れて、スタッフもドクターもバカ丁寧に対応すると思いますので、余計に話が長くなりがちで、疲労も蓄積します。


 さて、冒頭に書いたように、「自己資金・運転資金」があまり無い場合は、年始とか春先に開業することはお勧めしません。

 なぜなら、前年分の税金支払いが待っているからですね。私のように、開業理由の1つに、勤務医時代から、さらなる年収アップを期待しているドクターは、年収や節税にこだわって勤務医をしているのではないかと思います。よって、開業前年の収入もそれなりにあるはずです。その結果、翌年に支払う税金が、開業後に負担となるのです。

 詳しく説明すると、毎年2~3月には、確定申告がありますが、常勤以外のバイトをたくさんしている場合などは追加徴収のこともあります。常勤は※「甲」、非常勤(バイト)は「乙」ですから、甲区分である主たる勤務先の病院では、常勤での収入見込みから、毎月所得税が給与天引きされますよね。多くのドクターは、33%か40%の所得税率でしょう。その税率で毎月、給与から源泉徴収されています。

※ 給与所得者の扶養控除等申告書を提出している勤務先が「甲」です。すなわち主たる勤務先ですね。それ以外の勤務先があれば、それは「乙」です。

 一方、主たる勤務先以外の医療機関でバイトをすれば、バイト先でも源泉徴収(「給与所得の源泉徴収税額表」と検索してみてください)されます。どれだけバイト先で給与をもらっているかは、人それぞれでしょうが、1か所のバイトであれば、主たる勤務先の収入にもよりますが、確定申告時に還付されるかもしれません。しかしながら、複数のバイト先がある場合は、各バイト先の源泉徴収が少なめに設定されるため、トータルのバイト収入が多くなった場合、確定申告時には、主たる勤務先の病院での所得税率とバイト先での所得税率の差率が生じ、その結果、確定申告時に相当の追加徴収となるのです。

 例(あくまでザックリです);
① 病院での収入2,000万、バイトA病院60万/月→総収入2,720万。源泉徴収「甲」360,000円×12か月+A「乙」200,000円×12か月=432万+240万円=672万円
② 病院での収入2,000万、バイトB病院20万/月、C病院20万/円、D病院20万/月→総収入2,720万。源泉徴収「甲」360,000円×12か月+B「乙」20,000円×12か月=240,000円+C「乙」20,000円×12か月=240,000円+D「乙」20,000円×12か月240,000円=432万+72万=504万円

 社会保険や扶養控除等を総収入から引いて、ここでもザックリですが、総所得が2,000万円とします。従って、{2,000万―279万(所得税率区分40%の場合の控除額)}×40%=688万が所得税です。すでに源泉徴収されているのが、①の場合は、672万円ですので、実際、確定申告時の追加徴収分は、688-672万=16万円ですね。ところが、②の場合は、504万円しか源泉徴収されていないことになりますので、688―504万=184万円の追加徴収が出てくるのです。この額は、開業後の経営が順調であれば、問題ないのですが、うまく軌道に乗らないうちは、かなり辛い支払いになるかと思います。

 5月には住民税が確定します。勤務医時代は当然、給与から住民税が引かれる「特別徴収」ですが、開業すれば、「普通徴収」に代わります。要するに、自分で税金を払う必要があるのです。上述の額でいけば、10%の住民税ですから、普通徴収額は、{2,000万―279万(所得税率区分40%の場合の控除額)}×10%=172万円ですね。分割払いできるとしても、それなりの額です。

 前年の所得が前々年の所得に比べて増えていれば、予定納税も発生します。3回に分けて支払いですから、7月・11月と翌年の確定申告時に分けて支払う必要があるのです。予定納税を支払っても、開業してしばらく赤字続きであれば、翌年の確定申告時に、たいてい予定納税した分は、還付されます(利子付きで)ので、ご安心を。

 その他、もし、持ち家があれば、5月頃には、固定資産税の支払いも必要ですからね。

 開業翌年には、テナント開業であっても、医療機器の固定資産税の支払いも待っています。

 開業って、勤務医時代とは違い、大きな額が動きます。心配無用です。開業数年したら、億の借金も「ふ~ん」と特に何も感じなくなるのです。

 まとめますと、開業月は、資金に余裕があるならば、1月でもOK。慎重に行くならば、勤務医を半年してから、夏以降に開業でしょうかね。

2023年11月26日

お問い合わせフォームは必要か?

 クリニックのホームページに、お問い合わせフォームが必要でしょうか?不要でしょうか?

 開業当初は、少しでも患者さんに来院していただくために、クリニックの電話から、個人の携帯電話へ転送できるようにしていた時もありましたが、プライベートと仕事は、分けることも大事ですよね。

 電話の転送設定同様に、開業時から、つい最近までは、ホームページにお問い合わせフォームを作っておりました。患者さんが①当院での治療後の合併症が気になるとか、②患者さん自身の症状が、整形外科で診てもらえるか分からない時などを想定して、作成していたのです。

 実際、どういった問い合わせが多いかと言えば、95%は業者ですね。残り5%が患者さんからの問い合わせです。

 当院へTELで営業してくる業者に対しては、「院長が電話に出る時間が無いので、HPの問い合わせフォームから連絡してください」と受付に伝えてもらっていました。そのため、問い合わせフォームへの業者からの営業が多かったと思います。

 また、患者さんからの問い合わせは、想定通りで、①や②の問い合わせが多い状況でしたが、中には、③予約の変更をしたいとか、④もう一度、病状説明を聞きたいとか、早急に対応困難な問い合わせも増えてきました。

 ③については、電話で変更するように返信したこともありますし、④については、診察に来院していただければ、もう一度説明しますと返信したこともあります。

 ③も④も、本人は気軽な気持ちで、問い合わせフォームを利用したのだと思いますが、本来の趣旨とは違って、なんだか、対応が面倒になってきました。

 一応、お問い合わせフォームのところに、「予約の変更は、お問い合わせフォームからは、対応しておりませんので、診療時間内にお電話いただくようにお願いします。治療内容のご確認は、個人情報・守秘義務の問題がありますので、お問い合わせフォームでは回答出来かねます。診察へお越しください」と追記しておきました。

 ④で、しつこく連絡してきた男性には、診察に来院した時に、改めて、上述の個人情報・守秘義務の問題があるので、やめていただくようにお願いしたいのですが、それ以降もお問い合わせフォームからの連絡が続きましたね。さらに、その方は、当院のGoogleビジネスからもメールをしてくるような人でした。悪い人では無かったのですが、ご理解力が乏しかったですね。

 そういう患者様は、今後増えてくる可能性があり、ますますこちらのストレスが増えるかもしれないので、最近、お問い合わせフォームをホームページから削除しました。

 「それでどうなったか?」ですが、スッキリしました!業者からもその変な患者からも連絡が無くなりましたね。

 現時点で、診療には全く問題ありません。業者からTELがあった場合は、「郵送で資料を送るように」と伝えるように受付スタッフに指導しています。その結果、郵送で送ってくる業者は少ないのですけれども、本気の営業であれば、しっかり郵送してきますので、この対応で良いかと思います。

 結論です。

 開業当初ならまだしも、開業数年し、軌道に乗っていれば、お問い合わせフォームは不要です。

2023年11月21日
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