3~4年前でしたかね、再生医療を導入しました。APAとかPRPですね。採取した血液から遊離・濃縮した成長因子群を痛んだ関節や筋肉・腱に注入するという自費診療です。
問い合わせが数件ありましたが、結局、患者には行わずに、撤退しました。
なぜ撤退したかというと、眉唾物だからですね。効果が間違いなくある、効果が持続するならば、良いですし、また、費用も1万円とか2万円であれば、「効果あまり無かったですね、残念ですね」で、患者に説明もしやすいですが、実際、値段のところ、APSが30万円、PRPが15万円でした。当時、他の医療機関と大差ない値段設定でしたけれども、国民皆保険に慣れている患者からすると決して安くない費用ですよね。
あとは、高額な自費診療ですから、患者への説明もそれなりに時間を割く必要があります。冊子でお渡ししても、質問があればしっかり説明する義務も生じます。説明に割く時間も、バカにできませんから・・・。
当院へ通院している患者であっても、一見(いちげん)さんであったとしても、わたくし、あきんどではありません。あくまで医療人であり、医師なんです。そんなエビデンスが高くない治療を患者に提供するのは、段々心苦しくなり、1.5年程度で撤退しました。それに、自費診療ですので、美容整形のように、医療訴訟が怖いですからね。
導入費用、再生医療の申請費用、維持費用等で、完全な赤字撤退となりましたが、気持ちの上では、スッキリしております。
プラセンタ注射やニンニク注射治療は、たいした値段では無く、需要(効果もそれなりに)もありますので、継続中です。