裁判(民事)の経験・・・その2
結局、私の弁護士も、その場で、まったく反論することができず、最終的には裁判官が、圧倒的加害者有利の和解を勧め、和解となりました。和解金は、もちろん、私が被害者なので、支払ってもらう側ですが、その額は、大変安いものでした。負け裁判と言っても良いかと思います。
裁判前には、私の弁護士は、「勝訴となっても、和解であっても、高額慰謝料を獲得できるでしょう!」と、意気揚々としていましたが、まさか盗撮までしているとは思ってもいなかったのでしょうねぇ・・・。裁判後は、首を垂れて、お通夜状態でした。
私が、この裁判で経験したことは、実働では弁護士がやるものではありますが、無駄に時間がかかるということですね。結局、交通事故から裁判→和解まで、5年弱かかっていますから。和解を蹴って、引き続き判決を希望した場合は、さらに時間がかかったでしょう。医師と言う職業病でしょうか、診断がなかなかつかない状況が、一番モヤモヤするのと同じで、裁判が何年もかかるのは、精神的に応えます。最後に全面勝訴すれば、金銭的にも精神的にも高揚感で満たされるのでしょうけれども・・・。
相手の弁護士への思いも、ついでにここでぶちまけます!
裁判官が節度を持って話すように言っているにも関わらず、相手弁護士は敬語を用いず、私に偉そうな口を聞いてきましたし、私の意見を遮って話す場面もありました。結局、一般市民が裁判に出ても、同じ土俵に立つことはできないのですよ。経験がものを言うわけです。ドラマの1シーンのように、相手弁護士の悪意のある発言に対して、味方であるこちらの弁護士が謝罪を求めることも無いですし、私が被害者であるのに、裁判官は、配慮も擁護も同情もしてくれるわけでもありませんから・・・。
何よりも、プライバシーの侵害というものは、裁判においては皆無ということですね。相手弁護士は、無断で盗撮指示を出していますからね。戦争と同じで、勝てば官軍負ければ賊軍、結局、相手は、勝てばなんでもいいのでしょうかね。
医師も場合によっては、患者に逆恨みされる立場ではありますが、裁判官や弁護士は、医師以上に、恨まれる職種だと私は今回の一見で強く思いました。弁護士は、被害者や加害者の「代理人・代弁者」とか言われているかもしれませんが、私的には、そんな生ぬるい言葉では言い表せません。むしろ、なんでもありの「ヤクザまがいの用心棒」という感じです。私は、相手弁護士の態度や、汚いやり方に、今でも憤りを感じています。
そして、弁護士って、弁護はするけども、勝っても負けても依頼人から、着手金・報酬料をもらえるので、痛くも痒くもないのですよね。負けたらもちろん実績にはなりませんけれども。
そんな「負の実績」を、依頼する一般市民が簡単に調べることはできませんからね。そういう意味では、今回の弁護士依頼は、個人弁護士ではなく、自動車事故専門の大手の弁護士事務所に依頼すべきだったと、私自身反省しています。
いろいろ書きましたが、前向き発言をしますと、「裁判はこう言う流れで進む」というのが経験できました。普通に生活していたら、経験できませんからね。勝てずに負けた(和解ですけれども)というのも、私自身、これからも、調子に乗らずに、謙虚でいられる気がします。
この経験は、当院へ通院される患者様にも反映できます。とういうのも、整形外科領域で弁護士が出てくる場面が一番多いのが、交通事故でして、患者さんに、落としどころというか、妥当性というか、それをうまく説明できるようになりました。例えば、通院を1年したいという、初診時から無理難題をおっしゃる患者様にも、そして、後遺障害を望むように書いて欲しいという患者様にも、優しく、実例を交えてお話することができます。裁判したいと意気揚々におっしゃる患者様に対しても、この程度の症状では、裁判しても時間の無駄で、希望の結果にはならない可能性があるということもお伝えできます。
皆さんも、プライベートでも仕事ででも、裁判にならないように、心がけて下さいね。
以上。