専門医があっても無くても、開業できます。認定医も同じです。
患者からすると、立派な肩書よりも、しっかり話ができて相談できるドクターであり、もちろん治療も信頼できるドクターが良いわけですね。それって、肩書というよりも、開業までにどれだけ実力をつけ、かつ、話術があるかによるのではないでしょうか?
「そこに愛はあるんか?」って、大地真央さんがCMで言っていますが、「そこに専門医はいるんか?」はどんなもんでしょうか?
当然、融資機関がチェックするのは、「愛」ではなく、「返済能力」ですね。同じく、患者が見るのは、「専門医という肩書」では無いのだと思います。「診察・治療能力」のみならず、親身になって、患者の話を聞いて、治療してくれるという「優しさ」というか「愛情」が大事なんですよね。
専門医があれば、レセプト点数が上がれば良いですけれども、今のところは、無いですね。学位も同じです。「先生、学位があって、素晴らしい。どんな研究をしていらっしゃったのですか?」って、患者に聞かれることもありません。
ズラズラと研究成果や論文をHPに載せて、「俺すごいやろ~!」って自慢しても、患者には伝わりません。まぁ、「凄さ」は伝わっても、何が凄いことなのかは、ほとんどの患者には、興味が無いんですよね。
仮に、名の知れたドクター(例えば、専門医・認定医・学位・大学で講師以上)が開業した場合、毎日たくさんの患者が来院し、大盛況間違いないでしょう。
大盛況の開業医では、1日200とか300名の患者が来院するようです。自分には、想像できない世界です。
でも、1人のドクターが診ることができる患者数って、ほぼ決まっているのです。せいぜい、1日100人じゃないでしょうか?午前診の3~4時間で50人とすると、1時間で15人ですね。カルテ打ち込み時間や、処置の時間を考えると、実質、話をする時間って、1~2分程度でしょうか?さらには、再診のみならず、新患もいます。新患は5分程度は診察・説明・治療の時間はかかるでしょう。
ドクター自身も、何年も開業していると、飽きが来るし、開業当初の信念も薄らいでくるでしょう。中には、非常勤ドクターを雇うクリニックもあるでしょうが、「対応がいまいち」とか、「院長先生に診てもらいたい」ということで、かなりの時間待ったけど、1分診療だったとかで、徐々に患者満足度が下がっていく可能性もあります。
収益に重きを置いて開業するならば、自由診療をやったり、手術をガンガンすれば良いかと思います。でも、結局のところ、クリニックって、院長のワンオペなんですよね。手術や自由診療のためのムンテラ・同意書記載にしても、ドクターが必要です。仮に、他のドクターを雇っても、事務長を雇っても、最終責任は院長にあります。人って、そんなに束縛できません。非常勤ドクターであれ、常勤ドクターであれ、辞める時はパッと辞めます。
事業拡大しても、人がいなければ、継続は難しくなります。私が、事業拡大に消極的なのは、そこなんです。たくさんの人を管理する能力はありませんし、スタッフが多いとストレスになります。今の規模が限界です。家族が協力してくれたら、少しは違うのでしょうけれども、特に私はそれを求めていません。
かなりタイトルから、脱線してしまいましたが、肩書があっても無くても、うまくやっているところは、やってるし、ダメなところはダメということですね。
患者がたくさん来院するクリニックも、跡継ぎがいない限りは、いつかは院長は引退するし、体力も徐々になくなるし、結局のところ、開業時にはたくさん肩書があって大盛況でも、ドクターは患者と同じく、一人の人間です。神様から与えられたキャパシティーにそんなに差はありませんから、だいたいのところに落ち着くわけですね。
明確な答えが出ずに、すみません!