開業時、低予算で行くか、それなりに大きく展開するか・・・

 開業時に、コストを抑え、開業後、軌道に乗れば、近くに移転し、規模拡大をするパターンを考えるドクターと、当初から、開業数年経過すれば、このくらいのキャパが必要だろうということで、あらかじめ、面積も広くし、内装も造りこみ、スタッフも医療機器もそれなりにそろえて開業するドクターがいると思います。

 どちらが良いか・・・。

 前者の場合は、医療機器は移動できるとして、内装費をどう考えるかでしょうかね。内装費は、減価償却期間が残っていても、経費計上できる(念のため税理士に要確認)ので、問題ないかもしれませんが、開業数年後で、移転するのは、気持ち的にはもったいないかなとも思います。

 あとは、利益が出ている、増患していることであれば、もちろん、銀行も追加融資してくれると思います。ただし、開業時の融資がどれくらい返済できているかにもよると思います。


 後者であれば、いきなり多額の借金を背負うでしょうし、人件費もかかる可能性もあり、開業後、軌道に乗る前に、資金繰りに行き詰まる可能性があります。当院はまさに、開業数か月後に、ショートしかけました。ただ、軌道に乗れば、大船に乗った気持ちでゆったりと開業できますし、10年以上は、内装も一新せずに、使い続けることができると思います。仮に、そこがテナントで、契約期限があるとか、賃料アップ要求された場合は、移転も検討しなければいけないくらいでしょうか。

 私の場合は、開業前にある程度はシュミレーションしていたので、開業当初は苦しいが、長い目で見た時のことを考えて、「初期投資はすべし!」という結論に至りました。開業半年程度で、軌道に乗ってきたので、良かったのですが、立地からすると、開業前は、やや不安はありました。

 まぁ、廃院しても、勤務医に戻ればいいだけと思っていた。そういう意味では、医師免許があるというのは、本当に助かりますよね。

 初期投資を最小で開業した場合のシュミレーションですが、運動器リハは行わず、物療のみ。物療を行うのは、助手1名。レントゲン撮影は、ドクター。会計は、受付1名。看護師は不要。規模も、受付・診察室・待合・物療室・レントゲン室・院長室・スタッフルームですね。最小と言っても、70㎡はいるかもしれませんね。

 このミニマム開業は、駅前でしょうかね。田舎であれば、物療のみでやっていくとしても、ご高齢の方の井戸端会議には小さすぎます。

 初診患者のクリニックに対する第一印象って大事ではないかと思います。ミニマム開業の不安点は、待合は、小さいし、レントゲンの撮影も遅いし、リハビリの治療は電気くらいしかなくて、「二度目の受診は無いな」と思われる可能性があります。今は、SNSの時代ですから、変な噂が広がりやすいですし。あえて、ミニマム開業にするならば、せめて待合室くらいは、明るく広々とした印象が出るような内装にしないといけないと思います。

2023年11月13日