CT・MRIはクリニックに必要か?

 開業時に、CT・MRIを導入するか否かですが、ほとんどの先生方は、導入しないと思います。

 理由は明確です。初期費用が莫大ですからね。あとは、置き場所です。CT・MRIだけで、35~50㎡くらいはいるのではないでしょうか?そう言った理由のみならず、導入後のランニングコストもバカにできません。

 さらには、CT・MRIを導入したからと言って、ペイできるかですね。3か月毎の撮影でも、査定されると聞いたことがあります。査定は、都道府県によっても異なるかと思いますが、査定されても、1~3割の自己負担徴収だけでやっていく所もあるようですねぇ。

 当院は、当然、初期費用も無ければ、設置場所も無く、そして、撮影要員も確保できませんから、開業当初も開業後の現在も、検討はしておりません。

 X-pやエコー検査で診断がつかない場合は、CT・MRI撮影ですね。

 ちなみに、以前の勤務先で、CTはあっても、MRIが無い病院がありました。困りますよね。例えば、ご高齢の方で、脊椎圧迫骨折の臨床症状でも、骨粗鬆症が強いために、X-p・CTでも診断つかず・・・。従って、痛みのために、座位も不可能な場合は、一旦入院。後日、他院でMRI撮影するために、ストレッチャーで搬送ということもありました。時間も人手も本当に無駄ですよね。

 今は、そのような動けない患者様がクリニックへ来ることはめったにありませんので、大至急MRIが必要なことはありません。まぁ、そんな動ない方が来れば、骨折を疑って、MRI撮影うんぬんではなく、さっさと病院へ紹介しますが・・・。

 あいにく、当院は、500m圏内に病院が数件ありますので、MRIやCTが必要ならばすぐに患者さんに撮影しに行っていただいています。便利な世の中で、webで予約が完了するようなシステムを導入しており、約1分で予約完了します。

 時折、Open MRIを導入しませんか?というパンフレットがポストに投函されています。知覚の脳外科クリニックで、Open MRIを導入しているところがあります。そこから流れてきた患者様、そのクリニックで撮影されたCDを持参されたことがあるのですが、画像(頚椎MRI)が荒かったのを覚えています。1テスラも無いのでしょうかね?20年前のMRIを見ている印象で、とてもじゃないけど、診断はつけられなかったです。

 今後、当院の収益が大幅にアップして、内部留保する額が多くなり、法人税が無駄にかかる場合であっても、CTやMRIを導入することは無いでしょうね。CT・MRI撮影する時は、診療情報提供書分の算定だけにはなりますが、画僧コストの算定うんぬんというよりも、医療人として、いち早く、患者様の疾患・怪我の診断をし、治療に役立てたいという思いが、先行しますね。

2023年11月18日