開業を決心した後の準備1(融資・立地など)
1.開業資金調達
開業資金、いくら必要なんでしょうか?実は、私、開業に当てた自己資金はゼロでした。
融資を受ける場合、コンサル業者を通じて、銀行にどれくらい財産があるのか、提示しなければなりません。借金は、住宅ローンの残金+副業で太陽光発電(フルローン)で借金は約7,000万ありました。銀行のカードローンも少々あったかな・・・。
さらに、私、ドライブが好きで、外車中心に中古車ですが、1年に1回くらいのペースで乗り換えていたので、貯金ができず、当時、貯金は300万くらいしか手持ちがなかったのです。それでも、銀行は融資してくれました。
もちろん、自宅は担保に入れました。また、銀行の融資だけでは、運転資金が足りなかったため、追加で、日本政策金融公庫からも融資を受けました。銀行は9,000万、公庫は2,000万の合計1.1億円の融資を受けられました。
融資は、金利も大事です。私の場合は、銀行は0.85%で20年、公庫は、2.05%で15年だったと思います(いずれも変動金利)。公庫の金利は、高いですが、他に借りられなかったので、仕方ありません。返済期間は、長ければ長いほどいいと思います。ショートしてしまっては元も子もないですから・・・
住宅や太陽光、そして開業融資、すべて合わせて、1.8億の借金を背負ってしまいましたが、はたして、大丈夫なのでしょうか!?
2.テナントか建築か
私の住む地域は、関西でも人気の地区です。昔は、もっと緑が多かったのですが、ここ20年ほどで、どんどんマンションが建ち、小学校も定員オーバーになっているところもあります。神戸や大阪にも近く、商業施設もそろっているので、人気が出るのは当然ですよね!
「開業は地元で」というのは自分にとっての絶対条件だったので、街中ですが、地元で開業することにしました。
一般的に、整形外科を開業する場合、かなりの面積 が必要です。リハビリ室・レントゲン室にかなり面積を取られます。患者様が将来的にたくさん来院されることを考えて、待合室も広めにしなければなりません。足腰が悪い患者様が多いので、できれば1階で、駐車場もあればなお良いですよね。
このあたりの地価はかなり高いのですが、例えば、坪単価100万で土地を買って、建物を建てて、十分な面積で、開業するには、おそらく、3~4億必要です。私には、それは絶対不可能であったので、テナントで開業することにしました。
テナントと言えば、最近医療モールが人気です。患者様には、いろんな科が入っているモールは大変便利ですよね。ただ、経営者からすると、医療モールは、賃料が高い
。将来的に、経営がうまく軌道に乗ったとしても、固定費として、ずっーと払い続けなければなりません。また、医療モールの1階は、たいてい薬局が抑えています。エレベーターがあったとしても、整形外科の患者様からすると2階以上はそれなりに抵抗感があるのではないでしょうか。
私がここしかないと決めた場所は、マンションの1階で、元々、運送会社が入っており、2tトラックも中に入れる構造であり、ほぼスケルトン状態でした。借り手も2~3年いなかったようですので、敷金・礼金も不要で、賃料も比較的安く、とても良い条件でした。ただ、場所が、大通りから1~2筋入ったところにあり、クリニック前は、一方通行という、微妙な立地ではありました。
今の時代の情報源は、インターネットが主流です。私は、少々目立たないところでも ホームページ 中心の情報ツールで勝負ができるのではないかと思い、固定費の安いところに決めて良かったと思っています。しかし、目立たないところは、電柱看板、駅看板、道路看板等の広告費もそれなりに、かける必要があるので、このあたりは経営するDrの考えにもよりますね。あと、スケルトンのところは、自由に内装工事ができますが、それなりの工事費もかかることは、覚悟しておいて下さい。
3.内装費用
整形外科は比較的、医療機器が高額になります。当院では、レントゲン装置、骨密度測定機器、エコーのみならず、ウォーターベッド、マイクロ波、低周波、頸椎・腰椎牽引器、ホットパック、レッグプレス、エアロバイク等々、数多くの医療機器を導入したため、これだけで、3,000万円以上かかりました。
賢く導入するには、初期費用を抑えるためにもリースやレンタルを活用すべきでしたね。このあたりも、経験豊かなコンサル業者が介入するか否かにかかってくると思います。
ちなみに、レントゲン装置は最新のフラットパネルを入れたのですが、撮影から現像まで一瞬です。これは大変優れた装置です。
4.医療機器選定
整形外科は比較的、医療機器が高額になります。当院では、レントゲン装置、骨密度測定機器、エコーのみならず、ウォーターベッド、マイクロ波、低周波、頸椎・腰椎牽引器、ホットパック、レッグプレス、エアロバイク等々、数多くの医療機器を導入したため、これだけで、3,000万円以上かかりました。
賢く導入するには、初期費用を抑えるためにもリースやレンタルを活用すべきでしたね。このあたりも、経験豊かなコンサル業者が介入するか否かにかかってくると思います。
ちなみに、レントゲン装置は最新のフラットパネルを入れたのですが、撮影から現像まで一瞬です。これは大変優れた装置です。
5.運転資金
運転資金は、いくら必要なのでしょう?
私の場合は、1,000万(ほぼ人件費)と予想していました。3~4か月乗り切れたら大丈夫かなぁと思っていたのですが、これが甘かった・・・。
人件費と収入だけを考えているから、甘いのでしょうね。実際は、開業前後1か月間で、これもあれも必要ということになり、立て続けに備品・薬品を購入、さらに種々の広告関係の契約もしてしまいました。本当にあっと言う間に銀行の預金残高が減りました。
結局、運転資金は、開業1か月前に1,000万用意していましたが、開業後2.5ヵ月で底をついたので、元々持っていた銀行カードローンから500万調達しました。自己資金の無い方は、勤務医のうちに、銀行カードローンを持っておくのをお勧めします。たぶん、とても低い金利だと2%なんかで契約できると思います。使わなくて、財布にしまっておけばいいのです。借りるのはATMでOK。簡単です。しかし、自営になってからでは、カードローンは契約できたとしても、けっこう金利が高くなると思います。
2,000万の運転資金があったら、楽勝かな。
6.コンサル業者
お勧めのコンサル業者については、すみません、私、わかりません。少なくとも私が 依頼したコンサル業者 は最低でした。
一番良いのは、すでに開業済みの先生が実際に依頼したコンサル業者を紹介してもらうことでしょうか。
私の場合のように、医療系未経験のコンサル業者に依頼するのは避けた方が良いでしょう。今の時代は、先生方が、開業のノウハウについての情報を得るのは、たいていホームページからでしょうが、あまりに調子良いことばかりを書いている業者、関わったクリニックの情報を書いていない業者なんかは、臭いでしょうね。
あるいは、守秘義務があるからとか言って、過去取り扱ったクリニックを教えないところ は、未経験の業者です。
薬卸業者、医療機器メーカー、税理士がコンサル業を肩代わりして行っている場合もあります。彼らの場合は、開業後が主な取引となるので、マージンを取ったとしてもそれほど高く無いと考えています。