労災じゃないやろ・・・

 私、問診表の重要性をこのHPのブログで紹介しております。

 10月だったかな、腰と大腿部痛で、患者が来院しました。診察上は、坐骨神経痛ならびに大腿部の筋炎的なものと考えました。とりあえず、局所にトリガーポイント注射と内服を処方しました。また、患者は、糖尿病があるか調べて欲しいと言うので、「妙なことを言うなぁ」と思いつつも、採血して差し上げました。

 問診票の原因欄には、特に誘因無しとの記載(チェックシート)あり、診察室内での聴取でも、「仕事してからでは無い」と言っていました。

 初診の2日後に、再び来院されました。どうやら、職場の看護師にMRIを撮影するように言われたようで、すでに、本人自らが、MRIのある病院へ予約しているとのこと。「今から行くので、紹介状を書いて欲しい」という要求でした。ちょっと不信感(看護師の越権行為)を覚えましたが、開業医ですので、やむなく、紹介状を書いて差し上げました。その患者は、診察室で、「MRIを撮り終わったら、また伺います」と言って帰りました。

 で、1~2週間経っても、紹介状返書も無いし、患者も来院しないので、まぁ、おそらく、うちには来ずに、どこか他の病院で治療続けているんだろうと思っていました。

 しかし、昨日、当院の受付スタッフから、その患者が、先日労災申請して来たということを聞きました。

 「はっ??」

 私、一瞬、固まりました。

 「労災って、どういうこと?!」

 その患者が当院へ提出した5号用紙には、受傷原因や現状について、いいかげんなストーリーが書かれていました。問診票に書かれていない、本人からも直接聞いていない話がズラズラと書かれており、私、とても腹が立ちました。

 レントゲン・エコー・採血で異常無しと書いてあったのですが、少なくとも、レントゲンでは加齢性変化があるし、採血は、労災とまったく無関係で、患者の希望で採血(本来は、健康診断的にて、自費で徴収すべきなんでしょうが、開業医としては保険を使ってあげるのが良いと判断)をしております。なんでもかんでも、労災扱いにはできません!

 明日にでも、患者に電話して、事の流れ(あちらの言い分)を聞いてから、説教ですね。反省してもらわなければなりません!もちろん、採血分は、自費か保険診療になると思います。労災分については、カルテを改ざんせずに、追記という形で、労災であったと書かざるを得ないでしょうね。逆恨みされるのは嫌ですし・・・。そして、労基の判断で、労災扱いにはならなかった場合は、保険診療として払いますという旨の念書をいただくつもりです。

 もし、今後、この患者が引き続き当院へ、労災扱いで通院したいということであっても、やんわりとお断りするつもりです。応召義務がありますが、こういう患者は虚言癖があり、信頼関係が今後も構築できないと思います。おそらく、治癒しないと言って、最終的に医療サイドとトラブルになるのではないでしょうか・・・。

2018年12月05日